カメラ比較;D90 対 FinePix S9200 ― 2016年04月04日 09時10分19秒
富士フイルムの2014年発売のデジカメ、FinePix S9200と言う物をもらったので、どの程度の物なのか、早速桜を撮影してみた。
S9200は一眼レフ風のコンパクトデジカメで、機能的には光学50倍ズーム、5軸手ぶれ補正、HDR、1600万画素などNikon D90を圧倒している。では撮影結果はどうか。
左がS9200、右がD90。同じ物を撮っているとは思えないほど違う。
S9200は色が嘘。いわゆる記憶色だが、余りにも鮮やかすぎる。
→補足;S9200はHDRというダイナミックレンジ拡大機能をONにしている状態。
→補足;S9200はHDRというダイナミックレンジ拡大機能をONにしている状態。
D90は1200万画素で画素数の差か解像度はS9200の方が上だが、圧縮ノイズで輪郭がぼけぼけになってしまっている。D90に付けていたSIGMAの18~50mmレンズの描画の甘さがよくわかってしまった。
補足;HDRのON/OFFではこれくらい色合いが変わる。左がOFF、右がON。
HDRではものすごく色合いが変わることがわかる。HDRは有益な機能だとは思うが、この色の変化については理解しておく必要がありそうだ。そもそもOFFでもピンクは鮮やかになる傾向にある。
こちらの写真でもピンクの鮮やかさがめだちすぎるが、緑色もだいぶ異なる。左S9200、右D90。
この写真では解りにくいが、やはりS9200のほうが鮮やかになりがちであるが、回りの色合いによって結構変わってくる。18-50mmレンズもこれくらい近づくとそれなりに写る。やはりD90側には圧縮ノイズが少なくアップに耐える(ここにアップするために加工して再圧縮しているので元とはちょっと異なるが)。
黄色ではこんな結果になった。左からD90、S9200、Canon SX260HS。
黄色ではこんな結果になった。左からD90、S9200、Canon SX260HS。
色はD90が一番正確だが、意外にも描画はCanonが一番精細だった。メーカーによって強い色に違いがあるのかもしれない。
これはS9200の50倍ズーム。さすがに大きく写る。
拡大(というか1倍に)すると解るのだが、絵は塗ったようになる。Canonのように絵画かと思うほど塗りたくりはしないが、D90に比べるとまだ作った感は強い。S9200の写真は、総じて凡庸になる。
富士フイルムと言えば昔は独自のハニカムCCDを内製していたが、最近は外部調達にしたようで、これもSONYの裏面照射型CMOSというのを使っているらしい。ハニカムCCDは一目見れば解るほど独特の絵作りがあったが、高感度で写しやすい物だった。素子としての潜在能力はいざ知らず、小さい素子サイズの高画素数だから、1画素あたりが小さくいくら裏面照射型という本来は高感度のはずの素子をもってしても補えない弱さがあり、それがこの塗ったような絵に現れてしまう。素子サイズはデジカメの価格に直結するから安いコンパクトでは大きくしにくいのは解るけど、ならば画素数押さえてでも1画素を大きくして欲しいと思うところ。
この絵作りから想像できるのは、コンパクトデジカメというか小さな画像素子では光量が足りなくなると数画素分を合わせて1つにするようだ。だから、暗くなるほど絵の解像度が下がり、塗ったようになる。Canonの方が塗りが大きいのは、1画素あたりの性能が低いのでより多くの画素を合わせなければならないから。逆に言うと、そういう傾向があるからこそ、コンパクトデジカメのように小画像素子カメラでは異様に画素数を上げようとする。画素数は増えても、写真になったときの実画素数としては数分の一に減ると。
「暗い」と言っても夜ではなく曇天程度、ズーム時にもなってしまうから、コンパクトデジカメの画素数は予め少なくとも半分以下だと思ってないとだめ。このあたりが、大きな画像素子を持つ一眼レフとの違い。一眼レフではこういう、ある意味ごまかし処理はしないので塗ったような絵にはならない(少なくともNikonでは)。やっぱりカメラを選ぶときは素子の大きさ。
「現在のコンパクトデジカメの画素数はカタログスペック値が出ることはほとんどない。」昔の画素数が少ない=1画素が大きいときはこんな事なかっただろうにね。だから、結局、実質画素数は昔から余り変わっていないと。メーカーの言い分にだまされないように。
この絵作りから想像できるのは、コンパクトデジカメというか小さな画像素子では光量が足りなくなると数画素分を合わせて1つにするようだ。だから、暗くなるほど絵の解像度が下がり、塗ったようになる。Canonの方が塗りが大きいのは、1画素あたりの性能が低いのでより多くの画素を合わせなければならないから。逆に言うと、そういう傾向があるからこそ、コンパクトデジカメのように小画像素子カメラでは異様に画素数を上げようとする。画素数は増えても、写真になったときの実画素数としては数分の一に減ると。
「暗い」と言っても夜ではなく曇天程度、ズーム時にもなってしまうから、コンパクトデジカメの画素数は予め少なくとも半分以下だと思ってないとだめ。このあたりが、大きな画像素子を持つ一眼レフとの違い。一眼レフではこういう、ある意味ごまかし処理はしないので塗ったような絵にはならない(少なくともNikonでは)。やっぱりカメラを選ぶときは素子の大きさ。
「現在のコンパクトデジカメの画素数はカタログスペック値が出ることはほとんどない。」昔の画素数が少ない=1画素が大きいときはこんな事なかっただろうにね。だから、結局、実質画素数は昔から余り変わっていないと。メーカーの言い分にだまされないように。
私のもらった物だけの不具合なのか、この機種の根本的な問題なのかわからないが、50倍にするとレンズ部からキーンという変な音が出る。この音で鳥が逃げてし合わないかと心配になるほど。離れなければならないから高倍率ズームか、などと思ってしまう。
オートフォーカスも遅い。カタログスペックでは早いが、その通りの速度が出ない。「最短何秒」の「最短」がくせ者。特に動く物に対しての追従性が極めて低く、上の鳥でも撮影にどえらく苦労した。動く物に高倍率でシャッターチャンスを狙って撮影するのはほぼ無理だと思う。マニュアルかAFロックを使うかしないとだめ。それはそれでコンパクトデジカメの軽快性がなくなって面倒。
高倍率故に大きいレンズで筐体も大きく(D90より一回り小さいくらい)、単3電池4本必要なので重く(700g)、うちの親が買ったけどほとんど使わなかったのも解らなくはない。
コンパクトは小さく軽くどこへでも手軽に持って行けるべき、一眼レフは重くてもきれいに撮影できるべきと思ってるけど、S9200は二兎を追う者は一兎をも得ずで、それが再確認出来た機種と言える。
よほどの高倍率ズームが必要とか、高速度動画撮影が必要なときなど、限られた場面でしか使えないような。
そうそう、動画にすると急激に電池が減るので、静止画撮影できていて電池警告が出てなくても、動画撮影が出来ないことがあったので要注意。
・・・とはいえ、現行機種ではないから今更買おうという人は居ないだろうけどね。後継機種はあるようだけど。
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