京都迎賓館(4)2016年05月02日 07時35分58秒

藤の間の続き。

さてこの壁画(壁面装飾)。

右側には桜の絵が描かれている。
花と葉が同時にあるのでヤマザクラだと解る。京都御苑内の桜と言えば垂れかヤマザクラが中心だからだろう。
部屋は結構暗い上に金色に淡い色なので、きれいに写真を撮るのはかなり難しいと思う。逆光に近いからね。
この絵、金箔の上に刺繍されているように見えるけど、実際には花を織ってから緊迫を間にはめ込んでいるそうな。マスキングテープで桜と葉を覆ってからの作業でたいへんだったらしい。

一方左には多くの花が描かれている。
39種類ある。解るだろうか。
説明板はあったが、特に各反射がきつくて、肉眼でも観づらかったが写真でも判読が非常に難しかった。それでも何度か判読したのがい以下の表。

桜*
ススキ
梅*
椿*
水仙
嫁菜
藤*
吸葛
10 華鬘草(けまんそう)
11 ナガバノスミレ
12 山吹*
13 芍薬(しゃくやく)
14 露草*
15
16 コマツヨイグサ
17 一輪草
18 昼顔
19 百日草
20 鶏頭
21 著莪(シャガ)*
22 蓮華*
23 牡丹
24 小菊
25 百合
26 萩*
27 黄蜀葵(とろろあおい)
28 立葵
29 石楠花(しゃくなげ)
30 薊(あざみ)
31 芙蓉
32 桔梗
33 竜胆(りんどう)
34
35 紫陽花*
36 花菖蒲*
37 うめもどき
38 朝顔
39 鉄線
どれがどれだかすべて分かる人は相当の植物通。*を付けたのは、私が知るかぎり御苑内で見かけられる花。

写真内に番号を入れてみた。案内板にあったところではなく、実際の写真で識別。写真合成の都合で欠けている部分はあるのはご愛嬌。菊とか幾つかの花は複数箇所に異なる色であったりするけど、1箇所だけで。


1番の桜は付けるまでもなくわかるので省略。なお、どうやっても以下の3つは識別できなかった;10 華鬘草、11ナガバノスミレ、16コマツヨイグサ。次回にチャレンジ。

壁画の下に見えている黒い部分は隙間でなく漆塗りの梁(?)。
絵と同じ幅を持つので16.6mもあるが、これは木材は数本合わせてあるが、漆塗りとしては1本物。
漆というものは乾燥してツヤが出るのではなく、水分と化学反応を起こして艶が出る。なので、この部屋の中で塗ったのではない。また、こんな長さのものを外で作って搬入することも不可能。なので、敷地内の別の場所、今回は最初通った地下に室を作って作成したそうな。で、出来上がったのはいいけど、通路を使っては部屋の中に入らない。仕方ないので、一度ははめられた池側のガラスを外して搬入したんだとか。
そこまでするか!?と思ったりもするけど、迎賓館における各種造形へのこだわりには一切の妥協がない。素晴らしい。

部屋左手にあるこれは実は舞台。
この扉の文様は截金(きりかね)という技法によるもので、金箔を貼った技法だそうな。
とても細かく美しく細工
今は故人の人間国宝の作。ちなみに「截」は第2水準漢字。「載」とは違う。

ここは奥まっており、舞、能、琴、雅楽などが演じられる。もちろん日本文化を紹介するため。
舞台の高さ、この写真では50センチほどになっているが上下でき、ブッシュが来た時の小泉との共同記者会見はここを面一にして共同記者会見した。

截金と釘隠し。アップにするとその美しさがよくわかる。とにかく細かい造りがいっぱいある。
1度目はざっと見て、2度目は気になったところを細かく見、3度目は説明を聞いて理解を深める、というのが良い見方かも。最初に説明聞いてた方が気付けるかな。

・・・前回の展示を少し追加・・・
前回はこのような几帳や着物の展示があった。

いずれも貴重品だから一般公開では展示できないのだろう。一般公開が始まっても、このような展示もなされる特別公開もあってくれると嬉しいのだけど。

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