デジカメの修理2016年09月23日 09時49分20秒

デジカメの写真に黒い点が映り込むようになってしまっていた。
写真では黒い影のようで、ものによっては全く気が付かないこともあるけど、液晶画面上ではもっとはっきり黒く見えた(それを他のカメラで撮影しておくのは忘れてた)。

調べてみると、21日の写真にはもう写っているものもあったので、そのあたりから付着していたようだが、顕著化したのが22日であったと。

いくらレンズを拭いても取れないので、鏡筒の内側のレンズに付いているのようだ。叩いても振るっても変化なし。外側からのエアダスター噴射でも捕れず。

このデジカメの利用率は極めて高く、ほぼ毎日使っている。なので、使えないのは非常に困るので、早々に時期手の調査を開始、散々調べた結果、NikonのCoolpix S7000という機種を発注した。
それが22日の話。

で、23日。ふと「デジカメ 鏡筒内部 ゴミ」で検索してみると、掃除機で吸ったら取れたという動画が出てきた。やってみたけど捕れなかった。

もう新しいのも発注したので、壊すつもりで分解してみることにした。書き忘れていたが、機種はCanonのSX260HS。2012年に購入したが、2011年モデルかもしれない。

ちょっと引っかかるところはあったものの比較的分解しやすい構造だった。外から見えるネジ;左右各2本(1つは端子カバー内)を全部外す。下面も3脚ネジ穴の横にある2本。
前面は上に引っかかりがあるだけでネジはなかった・・・かな。
前から見て一番左上のがちょっと引っかかりが大きいので頑張って手前に引く。
液晶を固定しているのは液晶右の鉄板とそのネジ1本。

中にはかなりホコリが溜まってる。エアーダスターとか布ホコリ取りを使って取り除く。
こういうとき掃除機はだめ。ネジを吸ってしまったら一巻の終わりだから。

分解した裏面(左上)、前面(右上)、そして本体(下)。

ここまでして見ると、レンズは完全に一体成型になっており分解できそうにない。となると鏡筒内ホコリ取りは無理。

あきらめようとしたが、ひょっとしたらCMOS面かもしれないと思う。液晶を外すとその下にCMOSの裏側が見えるので、そのあたりにエアダスターを吹きかけてみる。ちょっと長めに。
で、やってみてみたら見事にゴミが消えてた!
やっぱりCMOS面に乗ってたか。

治ったことはありがたいけど、これで買ったカメラは無駄になったということになる。いや、カメラが無駄というより、出費が無駄になった(調査時間も無駄になったが、それは最近の機種を知る上でいい勉強になったので良しとしよう)。

なぜ最初から分解清掃を思いつかなかったのか。
最近どうにも焦りすぎて無駄な出費をしているきらいがある。
新PC購入の原因となったマウスも結局本体の問題じゃなくてレシーバーとUSB3の問題だったし。

ということで、良かった反面反省しなければならなかった出来事だった。
合掌。

そうそう、今回のことでわかったけど、デジカメ写真に映る暗点は、レンズ上のゴミである可能性は極めて低い。レンズ上のゴミは、それがよほど大きくない限り焦点の関係から映らないのだ。撮像素子面上のゴミは、どれだけ小さくても確実に映り込む。そして清掃しにくい。分解するしかないし、したところで素子があらわになるとは限らない。今回は運良く取れたが、送風だけで取れるとは限らない。それでも、「分解可能か」を選択の基準に加えてもいいかもしれない、などとも思った次第。

・・・ところで・・・

今回のネタも書いている途中に飛んでしまった。勝手にページが移動してしまったのだ。問題は2点。

ここAsahi-netのブログシステムである「アサブロ」のエディタ機能にはバグが有って、保存~編集継続にした場合、実際に保存されてない。保存後の編集を再開ではなく、単に編集に戻るだけになってる。それと、Firefoxかブックマークを表示させていると、カーソルキーを押すだけでページが切り替わってしまうことがある。

アサブロシステムはもう何年もアップデートされていない、極めて古いシステムなので、そろそろ大バージョンアップしてほしいと思ってるけど(特に写真がアップしにくいのが大難点)、いい加減ここを使うのやめて他に移るか考えるべきなのだろうとも思う。どうしたもんだか。

・・・運がいいことに・・・

Amazonの注文履歴をよく見ると、まだ発送されてないようだった。
最近Amazonの発送はかなり早いし、今日か明日中に届くと書いてあったからもうキャンセルは無理かと思ってたが、ダメ元でキャンセルリクエストしてみたら通った。
諦めないでよかった。

古いカセットテープの修理2015年08月07日 06時20分49秒

最近、実家に帰ると荷物の整理をしている。その中でカセットテープが大量に発掘された。そのまま捨てるのも忍びないので、デジタル録音している。例のカセットデッキはそのために買ったものである。

カセットテープは室内と屋根裏との二箇所で発掘されたが、屋根裏にあったものは高温にさらされているためか劣化している物も多かった。室内にあるものよりさらに10年位古いので経年変化の可能性もある。音の劣化もあるが、物理的劣化でテープが回らないことがある。

例えばこのテープ。先に素性を紹介しておくと、上新電機のプライベートブランド品である。1975年前後の品のはず。当時はカセットテープもメーカー品は高かったので、店ブランドの品が売られたりしていたのだ。
このテープ、再生しようとしても一向に音が出てこないので調べるとテープ(正確にはリール)が回ってなかった。テープが走るべき部分を見ると、テープがない。

ハーフのネジを外して開けてみると、リーダー部のテープと磁気テープが外れている。繋ぎ目に塗られていた接着剤が劣化してとれてしまったのだ。
黒い紙は、滑りを良くするためのシート。茶色い粉が付いているが、これは磁性体。劣化によって磁性体も剥がれてきているのだ。

接着剤でくっつけるのが筋なのだろうが、はみ出るとデッキのヘッドを痛めてしまう。昔のオープンリールテープでは編集のためにテープを切り貼りするのは当たり前で、うちにもそれがあった関係でテープの編集キットもあったのだけど、今はもう無いのでそういう手も使えない。なので、先頭数秒の音を捨てて、磁気テープを直接リールに付けることにした。
リールとの接合部ははめるだけ。慣れてくると、1本5分もかからず出来るようになる。

このJACテープはほぼ全てこの現象が、しかも両側で発生していた。修繕して片面側再生&録音したら反対側でまた外れるので、また修繕して・・・という作業の繰り返しだった。プライベートブランド品が安いのは、どこかに価格を抑えるための策があるわけで、これもその1つのツケだといえるのだろう。もっとも、35年も保証されるはずもなく、致し方ないことである。

でもこのテープは比較的修繕しやすいタイプであった。中にはハーフがネジではなくはめ殺して破砕しなければテープが取り出せないもの、

リールの止め部が割れてしまったもの
などもあり、こういうのは、別の(録音済みの)正常なテープを分解して移植するしかない。

ここまでして再生したカセットテープの音は音質の劣化はともかく、内容は懐かしい。中には今は亡き人の声、列車内のアナウンス(生録!)などもあった。こんな機会がなければ二度と聞かれることもなくそのまま捨てられるのを待つしかなかったのが保存されたわけだが、とはいえ私以外が聞くわけでもなく、結局また消え行くしかない。それは仕方ないことだけど、なんか自分の人生の有り様と重ねて考えてしまって、深い哀愁を覚えるのであった。合掌。

カセットデッキGX-Z7100の修理(4)2015年07月06日 07時25分09秒

さあ固着したグリスを取る作業である。此処から先は化学反応が必要なので時間がかかる。

まずは先の右側の軸のワッシャーを外した状態。この軸が矢印の方向に回転するようにしなければならない。
まずは軸の上からパーツクリーナーをちょっとかける。
周りに飛び散らないように、ティッシュなどで囲って、なおかつスプレーのノズルも押しすぎないよう気をつけて液を塗布する。特にピンチローラーなどゴムや、ヘッドには絶対に付かないようにすること。別のところで噴霧させ、ノズル先にわずかに残る液をつけるほうが楽かもしれない。

つけたらしばらく放置の後、ペンチ等で軸を回す。もちろん最初は殆ど動かないと思うけど、塗布→回し→拭き取りを何度も繰り返している内に徐々に動くようになる。

ある程度動くようになったら、今度は思い切って軸を(ペンチ等で)上に「少し」引き上げる。一気に引き上げなように、細心の注意を持ってゆっくりと。
実はここまで動くようになったらもうしめたもの。この中にクリーナーを流し込み、上下に動かす。すると液が一気に軸周りに浸透して動くようになる。これも数回繰り返す。

軸の上げ下げがするするできるようになったら、一旦駅をティッシュで拭き取り、グリースメイトを入れる。

電源を入れ、再生ボタンで左右ピンチローラーが上がり、回るように鳴るのを確認する。
早送り、巻き戻しも確認しておく(巻き戻し側は数秒で止まる)。実は内では巻き戻しが回らなかった。がこれは巻き戻し側モーターの軸を手で何回か回していると動くようになった。20年近く動かしてなかったから、あちこちの初動がしにくくなっているようだ。

あとは、「巻き込んでもいい」カセットで動作テストをする。左右のキャプスタンの回転がわずかでもずれるとテープを巻き込んでしまう。うちでは最初左側のキャプスタンを回す後ろのフライホイールに何かが擦れていて音を出していた。デッキを上向きんしているときは出てなかったのだが、水平に戻すと出る。その状態でカセットを動かすと巻きこむことがあった。水平で出て上向きで出ない、ほんの僅かな変化で出るのだから何かのは変でも付いているのかもしれないと思い、それらしい場所をエアーダスターで吹いてみたら治った。

内部はそれなりにホコリも入っているだろうし、この際清掃もしておくと良いだろう。

ヘッドやピンチローラーも。私は昔のヘッド&ピンチローラークリーナーを捨てずに持っていたので、これも20年以上ぶりに使った。いや、ピンチローラークリーナーはドキュメントスキャナのローラー清掃に活躍してるんだけど。
本当はヘッドイレースもしたかったのだけど、電池が切れてて、またその電池の買い置きがなかったので後日へ。TDKのカセット形ヘッドイレーザーAH-201。

また、他の動く部分にもグリースメイトを塗布しておいた。

実は、分解の過程で左ピンチローラーに付いているテープガイドを折ってしまっていたのでこれも修理。
この部品。

はめ込むためのポッチがあるので、それさえ合えば後は接着剤でくっつけるだけ。

後は元通り組み立てるだけ。でも先に書いたとおり、とにかく外した箇所が多く、部品が多く、ネジも多いので、注意して、忘れた所が内容に戻していく。私はネジとかワッシャーとか忘れてしまい、後からまた開けるはめに何度なったことか(T_T)。

私が修理にかかった時間はおよそ3日。いや、最初は軸に2つのクリーナー塗布してもなかなか動くようにならないので、浸透作用と長時間放置したと。後で軸を強引に引き上げる方法を思いついて一気に進んだんだけど。

修理にかかった費用は、呉のパーツクリーナーが400円とグリースメイトが700円(ともにAmazon価格)なので、TD-V707よりかはかかっている(キャブレタークリーナーは510円)。まあ、どちらも手間は非常にかかったけどね。

修理後の音。「良い」。さすがは往年の実力機。TD-V707より重厚な感じ。

ということで、今後は両方を使ってカセットのデジタル化を進めていこうと思う今日なのであった。

2015/07/09追記:
・・・なんだけど、どうにもまだ走行系に問題があるらしく、変な音がしている。再生はできるけど、時々テープを咬んでしまうので安心して使えない。やっぱりデッキブロックを完全分解せんといかんかなぁ。なのでいまは、早送り巻き戻し専用機として利用中。

おしまい。

カセットデッキGX-Z7100の修理(3)2015年07月04日 06時54分21秒

先ほどのピンチローラーの軸を触るためには、もう一弾の分解が必要となる。

カセットホルダーの下の受け金具も外す。その回転軸左右を少し強引に広げて抜く。
左側には先のバネが入っているので注意(後で戻すのも忘れないように)。


ここまですると、ピンチローラーの軸に直接触れるようになる。
Z7100はデュアルキャプスタンなのでピンチローラーは左右2つある。ということは固着は両方で起こりえるのだが、幸いにもうちの場合、左側はちょっと固かったが、何度か動かしている内に動くようになったので、修理対象はこの右側だけであった。
しかして、この右側の固着ぶりは半端無くて、ペンチで動かそうとしても用意には動かないほどのくっつきぶりだった。
とにかくこいつを動かさなくてはならないので、まずはその上に付いているワッシャーを外す。先の細いピンセットが必要。

分解はこれで完了。此処から先は化学的対処が必要となる。
今回(最終的に)使ったのは以下の2品。

1つ目はパーツクリーナー。呉のを使った。
グリスが固着しているということは、まずはそいつを溶かす必要があるのだが、調べてみるとまずは「キャブレタークリーナー」というのが強力であるとの情報を得た。実はそれも買ったのだが、あまり効かなかった、と思う。パーツクローナーとそれと両方使ってたので、結局のところどちらがより効いたのかはわからない部分もあるが、きゃぬレタークリーナーには大きな問題があって、プラスチック部分を溶かしてしまうのだ。あまりに強力さ故の副作用である。写真でのピンチローラーの後ろ部分がちょっと白くと言うか変になっているのはその痕。

もう1つ必要なのは、グリスを落とした後に指す潤滑剤。そちらも呉のにした。
呉の製品は「556」でお世話になっていたが、今回も思い通りの効果を発揮してくれて非常にありがたかった。この手のことには呉の製品を強くおすすめする。

カセットデッキGX-Z7100の修理(2)2015年07月01日 06時38分36秒

今度はデッキブロックの解体。

デッキ部前面のプラスチックカバーは予め外しておく。カセットホルダー部左右の軸部をすべて外していく。
右側はこの2箇所。下のはわかりにくいが、スライドするようになっている。

同様に左側。
この時注意すべきは、緑丸の部分にバネがあり、これの引っ掛けもはずさなければならないこと。
外すのは簡単だが、後とで戻さなければならないので、どのように引っ掛けてあったかをきちんと覚えておくこと。
写真をとっておくのが一番かもしれない。

これでホルダー部が外れる。

そうするとデッキ部が、ほぼあらわになる。

その状態での前面はこんな感じ。

修理すべきは右側のピンチローラーの軸。もうすでに見えて入るのだが、実はこれだけ分解してもまだ修理作業は出来ない。

実は1回目はここで断念した。後で「こうすれば出来るのでは?」という方法を思いついたのでこの前に進めたのだが、このときは、その軸を抜くことが出来なかったからだ。

このデッキブロックを筐体から外すには、ヘッドブロックの信号線の取り外しが必須であり、しかもこれが本体下面にある、ネジ止めされた基板の間を縫うように走っているため、その基盤ごと取り外しが必要、とわかった。これはもう私の手が出る範疇ではないと判断、その時は断念した。でも後にいい方法を思いついたわけで、それが次回以降の部分になる。

それにしても最近老眼がひどくて細かいものが見えにくい。メガネつけたり外したりで。外している間に置いてたメガネを踏み抜きそうにもなった。気をつけなきゃ。以前1本それで潰したからな。

カセットデッキGX-Z7100の修理(1)2015年06月29日 12時18分23秒

先日のTD-V707の修理成功に気を良くして、うちに眠っていたA&DのGX-Z7100も修理したくなった。

修理方法を探してみたら ここ あった。こちらのほうが中古の物が多く出回っているらしく、ここ以外にも情報は多かった。うちのも現象は全く同じで、電源を入れるとしばらく唸った後イジェクトされる。
ピンチローラーの軸に塗布されているグリスが固着し、ピンチローラーが上がらない→カセットの受け側の軸が回らない→テープが回らないとなり、こういう時はイジェクトする仕様、ということのようだ。となると、修理方法は、この軸のグリスを拭き取り、軸を動くようにすれば良いこととなる。

前回は電気的修理で、今回は物理的(化学的?)修理。修理の原理はわかったが、実際の作業は困難を極めた。
その記録を公開するのが今回の趣旨である。

この機種は、昔のオーディオ機器華やかりしころの機体であり、制振のためかやたらネジが多いく、分解はかなり面倒である。
まずは本体側面のネジを外す。左右各4本。

天面のネジを外す。2本で、これは6角ネジなので専用ドライバが必要となる。

背面上部2本。
これで天板が外れる。

今度は前面パネルを外す。まずはパネルの上部3本。

今度は下側3本。左右日本は足の直ぐ側にあるが、足ははずさなくても大丈夫。

これでようやく前面パネルまで外せる。
でもまだ先は長い。

とにかくネジが多いので、どのネジがどの部分用かをきちんと分類し、無くさないように。
戻すときにも閉め忘れをしないように、それはとても重要である(締め忘れで何度も開け閉めしたので、教訓)。

カセットデッキ Victor TD-V707の修理2015年06月21日 06時30分10秒

今回は、いつもとは全く違ったネタを1発。

実家に帰った時、大量のカセットテープを発掘した。録音内容から判断して、最も新しいものでも1995年より前と思われる。ほとんどは1980年代後半のもの。アイドルのものが多く、エアチェック、一番新しいのはX1やX68000で録音したゲーム音楽。一番古そうなのは1970年台。

で、そのまま捨てるのももったいないので、数本持って帰って家のミニコンポ(これもかなり古いもの)のデッキで聞いてみたら、予想に反して音は十分聞けた。

今となっては絶版の音源ばかりなので、これはPCに取り込みたいと思い、箱の中で眠らせていたデッキ;A&DのGX-Z7100を引っ張り出す。しかし、蓋を閉めてもすぐに排出されるという現象で動かず。使うのは多分今回のテープからの吸い上げだけで、今更新品のデッキを買うのももったいないし(そもそももうそんな物はない)ので、オークションでカセットデッキを手に入れるにした。競ること3回目、ようやく、競り落とせた。

機種はVictorのTD-V707という機種。1987年発売のものらしい。当時は7万円くらいしたようだが、3000円以下(送料別)で入手できた。実は失敗した先2回の競りでは(別機種だが)3500円を超えており、結局「待ったかいがあった」と言える。「待てば海路の日和あり」。

到着して早速電源を入れカセットを入れてみると、一応モーターは回っている。録音側の準備をしてから、「その前にヘッドフォンで音も確認してみよう」と思って聞いてみたら、速度が早過ぎる上にかなりムラがある。このままでは使いものにならない。回転がおかしい時はモーターとキャプスタンをつなぐベルトが緩んでたり切れたりするのがありがちだが、この機種はダイレクトドライブだから、それはない。

「故障品掴まされたか!?」と思ったが、古い品をオークションで手に入れたのだから、これはしょうがない。何とかならないかとインターネットで調べてみたら、同様の現象が発生し、修理したという記事を見つけた。
どうやら、この機種ではよく発生する現象らしい。ではあるが、その記事では修理方法が今1つよくわからなかったので、ここにその詳細をあげようとする次第である。
ではあっても、筐体の開け方とかハンダ付けの仕方とか細かいことは省略するので、それくらいのことはわかる人向け。

まずは筐体を開ける。ネジは左右各3本+背面上部に2本。背面の2本は銅めっきネジだ。さすが高級機。
昔のオーディオ機器らしく良い作り。右上がデッキ部。

その下部分に鉄板のようなものがネジ4本で止まっている。これが再生用モーターの制御基板である。
ちなみに上に見えている丸いのが早送り、巻き戻し用モーター。そう、この機種は豪華にも3モーター駆動なのだ。赤矢印の4本のネジを回して外す。もう2つ形の違うネジがあるがそれは回さないこと。
この部分は長いねじ回しは入らなので、短いのが必要。10センチ位までかな。うちでは精密ドライバーの一番大きいのでいけた。

基板を外すには右側にあるこのコネクタを外す必要がある。
左側にも電線が付いているが、これは基板直付で外せない。無理に引っ張らないように。

で、これはモーター制御基板。右にちょっと見えている電線が、上で言った直付の電線。
右側のコイル群は再生用モーターのコイル。ブラシレスモーターなのでモーター本体(回転体)側には磁石のみ、基板側にコイルという構造に成っている。白い突起が軸になる。軸は回転体分を受けるだけ。デュアルキャプスタンなので左側にもホイールが有る。
で、矢印2箇所の電解コンデンサ、これが液漏れしているのが回転数不良の原因。これを取り替える。

アップで見ると、液漏れして基板が腐食しかかっているのがわかる。幸いにもこの機体では2箇所ともパターンがじはがれるまでの腐食ではなかった。
まずはこの古いコンデンサを外すさなければならないが、このはんだがなかなか融けない。後ろに付いている鉄板に熱が逃げてしまうからかもしれない(この鉄板は外せない。最初使ったはんだごてでは熱量が足りず刃が立たなかったので、もう1つ強いので作業。それでもなかなか取れず、結局、ピンセットで揺らしてたら剥がれた。腐食でコンデンサの足が緩んでた様子。

外れたら、基板を清掃。漏れた液のカスをできるだけ取り除き、換えのコンデンサを取り付ける。付いてたのは耐圧16Vの10μF表面実装タイプ。パーツなどを買うのにいつも使うマルツで探してみるも、全く同じものはなかった。あったのは25V品。まあ、耐圧が大きいのは問題ないので早速オンライン発注・・・しようと思ったが、京都は四条寺町に実店舗があるので、送料ももったいないことだし、直に買いに行くことにした。

実はここで1つ問題が発生した。電話して在庫を確認し、とりおきしてもらってから行った。店で「確認して下さい」と言われたが、略称で書かれていたので見てもわからない。まあ、電話で話してあるのだから正しいだろうと思いそのまま買って帰り、ハンダ付けするも「動かない」。

まさかと思って調べてみると、全く違う品であることが判明した。買ったのは「EMVE500ADA1R0MD55G」というものだったが、必要なのは「EMVE250ADA100M55G」だった。型番だけ見てもわからなかったが、こちらを見て判明した。買ったのは50V1.0μF品だ。「店の人間でも間違うことがあるので要注意」という教訓である。

ちなみに、どちらも1セット5個200円(税別)ほど。オンライン購入すると送料が400円ちょっとかかるから、1回間違って買っても、まだ安く済んでる。行く手間はかかってるけど(自転車なので交通費はただ)。

翌日再び出向いて買い直し(実は型番が微妙に違ったが、それは大きさの違いだけだったのでOK)。そして1μF品を外す。10μF品をつけようとするが、1μF品は元々付いてたのとほぼ同じ大きさだったが、25V10μF品は元のより一回りほど大きいのでちょっと付けにくい。基板側およびコンデンサ側に半田を盛って何とかくっつけられた。

実ははんだづけするのは非常に久しぶり。しかも近年は電線ばっかりだったから電子部品はいつ以来だろうか。まして表面実装品は初めてで、そうでなくても小さなものなのに、最近老眼がひどくて見難くて本当に苦労した。

それでもなんとか完了して、基板を元に戻して確認。が、動かない。昨日違う部品を付けて通電したから壊れたか?
念のためモーターが回るかどうか手で回してみると、回らない。どうも軸がぶつかっている感じ。軸と回転体の間の隙間がかなり狭いようなので、基板の向きがわずかでもゆがんでいると干渉してこのようになる様子。基板を戻す時は、モーターを手で回しながら、徐々にネジを締めていく必要がある。

そうやってみたら今度はうまくモーターが回った。回転数も正常。良かった、筐体も閉めて無事修理完了。

部品の問題もあってかなり手間はかかったけど、安く良い品が手に入ってよかった。ダイレクトドライブ、3ヘッドだもんなぁ。とりあえず再生専用でしか考えてないので再生系さえ正常であればそれで良いけど、実はメタルテープの新品をまだたくさん持ってるから、録音もしてみたかったり。

で、実際に出てきた音を聞いてびっくり。かなり良い。というか、10年以上、結構暑くなる部屋で放置されていたテープだが、ほとんど劣化を感じない。さすがにノーマルテープはちょっと音が緩んでいる気がするけど、特にメタルテープは重厚な音がして素晴らしい。最近の音はカスカスなものが多いだけに余計に新鮮だった。こりゃ、残りのテープも持ってこなきゃ。

録音はSDに直接録音できるポータブルレコーダーを持っているので、それを使う。TASCAMのDR-100。これはライン入力も持っている。デッキのRCAステレオをミニプラグに変換するケーブルは持っていたので、それで接続するだけ。まあ、実時間かかるので大変だが、後は気長に作業するだけ。1ヶ月以上掛かりそうだけど。

・・・

私はライン入力が可能なSDレコーダー+変換ケーブルを持っていたのでデッキを買うという選択肢を選んだ。それが一番安く、かつ良い音で録音できるはずだから。

もしデッキはあるというなら、PCに取り込むUSBのアナログ・デジタルオーディオ変換ケーブルを買う(4000円前後)てもあろう。しかし、録音中ずっとPCを起動させ続けなければならないのは、電気代のこともあり、ちょいともったいない。

単体でカセットをSDに録音するプレイヤーも売れているが、どれもとりあえずの品で、音質は言うに及ばず、回転ムラがひどく60分以上のテープでは使えないようなものもあるらしい。というか、5000円以下くらいではそんな品しかない様子。中国製の粗悪品というところだろう。私の手持ちのテープは90分が一番多いはずだから(昔はLPを1枚録音するのに46分テープをよく使ったが、片面に1枚録音できる90分のほうが便利なので多用したのだ)、そんな機械は使えない。だからこそデッキを選んだわけである。

で、A&Dのデッキはどうするか。その後の調査で、こちらうちとも同じ現象が発生していて修理したという記事を見つけた。こちらはピンチローラーのグリスが固着して動かなくなっているためらしく、実際うちの機体でも調べたらそうだった。一応修理は試み、無理やり外そうともしてみたが、そうするためにはほぼ全分解しなければデッキブロックが抜く出せないという凶悪な構造であるとわかり断念した。ケーブル1本外すのに筐体の底面も外し、基板も外さなきゃいけないなんて、メンテナンス性皆無と思える構造。

でも、グリスの固着なら、それを科学的に溶かしてやれば治るんじゃないか、という気もしている。いずれチャレンジできれば紹介したい。

ということで、毛色の違うネタは終わり。実は時々修理ネタは(別のところで)書いてるんだけど、ここに出すのは初めて。ランク100位以内記念ということで。

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