2018祇園祭後祭宵山(2)2018年07月23日 05時53分25秒

黒主山。

前にあった黒い板がペンキ塗りたてなのかちょうちんの明かりが反射して、まるで水面に写っているようできれいだった。

ここでは胴飾りなどの説明をいろいろ聞かせてもらった。

この龍は刺繍らしいけど、爪のところは1センチほどの段差ができるほどなんだそうな。それだけ縫込みがすごいってこと。
巡行時はこの見返りは他の飾りの裏になるので見えないのだとか。

上の龍は3つ爪だけど、こちらは5つ。さらにもう1つある龍の見返りは4つ爪。3種類もあるのか。
図柄の中に日輪が描かれているのもここの特徴。

この龍は「登竜門」の話に由来している。ところが、登竜門といえば鯉、その鯉をお祭りしているのは隣の鯉山であったりする。後祭では北観音山と南観音山は同じ祭神を祀っているし、意外と山や鉾通しの縁もあったりする。

ちなみに黒主山は、今年山一番。くじ取らずで場所が決まっている山鉾もあるので行列の先頭ではないのだけど、やはり気合は入るのだそうな。

こちらは浄妙山の飾り。
役行者山は古い建屋に集会所があったけど、ここや黒主山はビルの中にある。今はそういうところの多そうだ。周りはほとんどビルだもんね。ビル建設時にこういう展示場や山鉾を保管する倉庫も一緒に作るのだろう。

ここでは人形2体がいるが、1筋南の橋弁慶山も2体いる。
似ているのでどちらがどちらだった迷うこともある。似ている飾りが多いのも後祭の特徴?

浄妙山の山。



2018祇園祭後祭宵山(3)2018年07月23日 06時17分25秒

鯉山。
人手が比較的少ない後祭において、鯉山だけはいつも満員で入るのに時間がかかる。今年はそれでも列は短かったので入ればよかったんだけど、このときはまだ夕食も食べてなかったので通り過ぎてしまった。

鯉山も縁起は登竜門に由来する。なので出世にご利益があるのだけど、世の中そんなに出生したい人が溢れているのかなぁ。また、ここはそれほどご利益が高いということか。

橋弁慶山。

ここは2階建てで1階に胴回り、2階に御神体の展示がある。

名前からも分かる通り、ここは五条大橋での牛若丸と弁慶の戦いに由来している。橋の欄干があり、鎧武者が居て御神体が2人というところは先の浄妙山に似ている。浄妙山は2体共鎧姿なのが違うけど。

ちなみに牛若丸と弁慶の五条大橋での戦いは史実ではないようだ。室町時代に成立した「義経記」に基づくらしいけど、そもそも祇園祭の縁起は別に史実に基づく必要はないし、むしろそういうのは少ないので問題はない。当時の古今東西の物語を題材にしているというのは、今で言うならミーハーな選択であったとも言えなくはない。今ならAKB48で御神体が48体並ぶとか言うのができるのかも。




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