しまなみ2019(60);装備編(1)2019年09月05日 06時05分22秒

それではしまなみ海道に持っていった装備を紹介しよう。
まずは新しいアクションカメラであるところのGoPro社HERO7 BLACK。同社の最新・最上位機種。それにちょっと細工してある。
4K撮影できるアクションカメラは安いのを持ってたけど、どうにも写りが悪かった。沖縄で撮影したときにそれを実感したので、しまなみ海道行きに合わせて買ったのだ。
このカメラを選択したときに重視したのは写りだけでなく手ブレ補正。今までのでは後処理でソフトで手ブレ補正をしてたけど、あまりに時間がかかりすぎるし、画質の劣化が大きい。そう思っているときに発売されたのがこの機種で、とにかく強力な手ブレ補正が売りらしい。
手ブレ補正といっても色々あって、本当に人の手で写しているときのようなブレにしか効かないようなもの(ビデオや普通カメラに内蔵の手ブレ補正はせいぜいこの程度)から、アクションカメラのような激しい動きにも効くものまである。最近カメラやスマホ用手ブレ補正装置として売れているジンバルというのは後者のもので、最初はアクションカメラをジンバルに付けようと思っていた。しかし、三脚というか自転車にアクションカメラをつける土台に接続できるそれがなく困っていた所にこれが発売された。しまなみ海道にぎりぎり間にあったというかまさにジャストタイミングだった(花見には間にあったけど)。

実際の所、この機種HERO7 BLACKの売りであるすごい手ブレ補正「HyperSmooth」がどれほど効くかは紹介記事だけではわからない。ここはかけになるが買って自分で調べるしかない。
そして実際に買って自転車につけて走ってみると、自転車特有の道路からくる細かい揺れはある程度残ってしまうが、酔うような大きな揺れはかなり抑えられている。わかりやすく言えば、従来機種では手ブレ補正処理をしないではとても見続けられないのだが、この機種で撮った映像はそのままで見ることが出来る。これは非常に強力だ。

さらに、画質が素晴らしい。今までの機種が曇ったような色合いで「アクションカメラってこの程度課」と思いながら我慢して使うしかなかった。だから、ここぞというときには必ずカメラで別に撮影する必要があったけど、これは本当にきれいな画質なので、少々のところならもうこれに任せられれる。後で切り出せばそれで写真代わりにできる。
まあ、画角を広く取ってあるため湾曲があるので完全な代わりにはならないのだけど、それでも見られないほどひどくはない。
この切り出し画像は湾曲がよく分かる(画面が暗いのは曇りだから)。

このような風景では湾曲もほとんど気にならならず、画角に広さが効果的だ。
色合いも自然で、安物アクションカメラのような青だけきついとか全体的に色が鈍い感じがない。

明暗差にも強い。画角が広いということは太陽が入る可能性が高いということだが、それにもある程度考慮されているように思う。

音も良い。集音性能が他のアクションカメラでは比べ物にならず、良く音を拾ってくれる。

その他音声コントロールなど機能も豊富だが、使ってないので省略。私は基本的に音声コントロールものがだめで。Amazon Alexaなども買ったけど今は使ってない。

値段は5万円を超えて高かかったけど(今は切っている模様)、それなりの価値はある。超おすすめ。

なお、HERO7シリーズには3機種ほどあるが、この強力手ブレ補正があるのは最上位機種のBLACKのみである。間違えないように。

この機種は他のアクションカメラと同様にUSBでの外部給電録画に対応している。
ただしそのためには側面のカバーを外してしまう必要がある。この部分にはもともとカバーがあったが、端子接続のために外した。外すのは、コツは必要だけど難しくはない。もともと外せるようになっている。ただし、この機種は単体で防水機能があるが、カバーを外すと当然それは効かなくなる。自転車の場合、雨天運転には注意ということだ。まあ、そんなときに録画する必要は殆ど無いだろうけど。

他のアクションカメラはほとんどが設定すれば外部からの給電開始と同時に録画が開始されたが、これは給電開始だけでは録画スタンバイ状態になるだけなので、再度録画ボタンを押す必要がある。これが曲者で、ボタン押すの忘れてて何度録画をし忘れたことか。いまは「録画ボタン押せ」とシールを張っている。極めて要注意だ。

これからはこの機種の欠点について述べておこう。
手ブレ補正や画質については素晴らしい機種だが、残念ながら、いくつか欠点がある。しかも1つは長時間録画において致命的とも言える「欠陥」である。

まず録画可能時間について。今までのアクションカメラの録画時間は4Kの最高画質で4GBで約15分だった。だから32GBのマイクロSDカードで15*8=4時間録画できた。ところが、この機種では4GBで8分しか録画できない。約半分になるわけだ。32GBでも2時間未満。だから同じ時間録画しようと思ったら倍の容量が必要となる。最初この事に気が付かないで録画していたら切れていた。新潟行きの自動車運転では大体SA1つ飛ばしで運転するから、1回の運転は1時間半から2時間になることが多い。この間途切れなく撮影出来、さらにSA毎の交換も面倒なので避けたい。そういう録画時間が必須なのだ。

今までのアクションカメラはh.264という圧縮方式だったが、これはHEVC(h.265)という最新のiPhone等でも使われている圧縮方式を使っている。同じ画質なら、264の半分の容量で済むというのが売りだ。それを知ってたから、ひょっとしたら従来の倍の時間、いや、高画質にしているとしても同じ時間は録画できるだろうと思ってたらこれだったので、相当高画質に振っているようである。まあ、その甲斐はあると思うので、ここはきらめて大容量SDカードを買うことにした。この機種では256GBまで対応しているのでその目いっぱいで。これなら理論上8時間記録できるので、新潟の行き全体が1枚で録画可能になる。マイクロSDも256GBになるとそこそこ高いので、本体の値段と合わせると痛かったけどね。

さてもう1つの問題。これは問題というより「欠陥」に近い。

このHERO7 BLACKは非常に発熱が大きい。しかも困ったことに、温度が上がると自動的に録画を止める安全機能が入っている。内部電池で使うなら録画可能時間はせいぜい1時間らしいのでまだ被害は少なかろうが、せっかく外部給電で長時間録画を可能にしているのに発熱で止められては意味がない。

幸いなことに、このしまなみ海道の録画では熱で止まることはなかった。外気温が25度ちょっとで、自転車で走っていると直射日光はあたっていても空冷状態なのでそこそこ冷却されるのだろう。だから、この欠陥に気がついたのはこの時ではなく、後の新潟行きの自動車の中だった。

自動車の車内はエアコンを入れれば27度くらいだろうが日光はあっている。その状態では1時間も経たないうちに録画が止まってしまうこともある。
更に困ったことに、温度異常で止まった場合はファイルを壊す。次回電源投入時に補正して治すシステムになっているので、そのままメディアを抜いたら破壊されたまま読めなくなってしまう。それを知ったのも後で、壊れて読めないファイルが出来て気がついた。欠陥である。

今まで使っていたアクションカメラでは車内で長時間録画していてもこんな事になったことはなかった。このHERO7 BLACK特有の問題だ。

さて、なんとか温度問題を回避する方法はないものか。お盆の新潟行きまでにはその方策を見つけられなかったので車内録画においては従来機種を使ったが、せっかく高画質のこれがあるのにもったいない。

インターネットで色々と情報を探ったら、どうやらこの問題はGoProの従来機種でも起こっているものらしい。しかし、なかなかこれはという解決策は見つからなかった。でも熱が原因なら解決策はある程度絞られてくる。熱を逃せば良いのだ。

先に書いておくと、発熱がひどいのは4Kの最高画質のときだけで、2Kにするとか画質を落とせば停止するほどの高温にはならないらしい取説にも高画質では温度が上がるので画質落とせと一応書いてあるが、でも熱を気にして画質と解像度を落としていてはせっかくの性能がもったいない。まあ、自動車での録画はドライブレコーダー代わりなので最高画質はほぼいらないとは言えるが。

実際、筐体表面にありったけの放熱フィンを取り付けたら2時間以上は録画できたという記事があった。それでも良かったのだけど、更に調べると興味深い記事があった。「電池を抜けば長時間録画できた」というものだ。

実はHEROシリーズの熱停止は電池の異常高温対策のためにあるらしい。HEROシリーズは寒冷地=スキー場で使えるようにするため、電池に対し加熱機能があるらしい。電池は冷えると能力が極端に落ちるから。かつてはヒーターまで付いてたともいうが、HERO7ではそこまではなくて、内部の熱を使って温度が落ちないようにしているように思える。熱が内部に溜まるようになっているのだ。これが仇となって外気温が高いところでは異常高温になってしまうのだ。防水機能のために密閉されているというのも放熱を悪くしている原因だろう。

ここで、外部給電中は内部電池を外しても問題ないと判明。なら電池を外せば温度異常で止まることはなくなるのではないか。

早速実験してみたが、結果はだめ。正確には、内部の電池を抜いても電池蓋を締めた状態では外気温30度くらいで1~2時間で止まってしまった。27度なら若干伸びるかもしれないが、止まることに違いはなかろう。

では電池蓋も開ければどうか。この状態だ。

結果は大成功。電池蓋も開ければ30度の室内で6時間連続録画できた。2回実験して2回とも成功したので間違いなかろう。実は先に外部電池が切れかけたのでそこで止めたが、もっと行けたように思える。これなら新潟行きでも十分使える。

ただし、実験後の筐体は素手では触っていられないほど熱くなってた。それなりに筐体には負荷がかかるわけでだから、あまり何度も行うべきではないと思うが、回避策が見つかったのは良かった。

でもこの方法には問題がある。固定できないのだ。
これを自転車に付けるときは以下の装置を付ける。
蓋を開けたままではこの一番上のケースに入れられない。他会社の製品にアルミ筐体で極力本体と接触する部分を少なくしたケースが売られていたが、それでも蓋は開けられない。

ケースを自作したいところなんだが、残念ながら私にその才がないので今付けているのが上の写真に見えている、結束バンドで締め付けてくっつけているものだ。
他のアクションカメラに付属していた、三脚穴を持ったプレートを切り、これまたそれらに付属していた強力両面テープで筐体上面に付け、更に外れないように結束バンドで押さえつけているわけだ。

もし、これを読んだどこかのメーカーが対応ケースを作ってくれるなら、アイディアはくれてやるから、製品を送ってくれ。

これでの問題は、筐体が逆さまになること。ということは録画画像も上下逆になるのではと思うかもしれなが、この機種は実によく出来ていて、上下逆にすると記録画像上も逆にしてくれてちゃんと正立で記録される。モニター表示上も正常。

ということで、とりあえず解決策は見つかった。でもまだ実地テストはしてないので、この付け方で振動に耐えられるかとかはわからない。その辺りはまた追って報告を。

(C)おたくら編集局